ワイン Tips! #5 初心者に優しいワインの楽しみ方のコツ “オレンジワインはフリウリワインを狙え”


オレンジワインというものが最近流行している。白ワインでもなく赤ワインでもなくロゼでもない新しいジャンルということで、この言葉は2004年にイギリスで始まったらしい。要は簡単に言うと赤いワインの製法で作った白ワイン。つまり、赤ワインのように発酵時に葡萄の果皮を果汁と一緒に醸すことで色がついて複雑なワインとなる。

ただ、この製法の定義だとオレンジ色でないものもオレンジワインとなる。例えばシャルドネなどをこの製法を使うと色は黄金色で見た目はただの白ワインである。そのため、私の友達は”オレンジ”という言葉を使わずに、”マチェラーティ シリース”と言っている。日本人が分かるようにいうと、マセラシオン、つまり果皮浸透を使った一般的な赤ワインの製法のことを指している。こうすれば色はともかく市場に対して嘘をついていないことになる。

さて、オレンジワイン起源はジョージア(グルジア)と言われている。クヴェブリ(壺)を埋めてその中でワインを作るという特殊な製法だ。今オレンジワインのトップを走るイタリア、フリウリ州の有名なワイナリー、Gravner (グラブネル・グラブナー)もジョージアのこの製法をイタリアに持ち帰って、2001年から同じような製法でワインを世に出して、有名となっている。発行に使っているのはアンフォラという壺だが製法はジョージアのそれと同じ。

オレンジワインは有名となったので多くの種類が世界中から販売されているが、どれを選ぶのが正解なのか

間違いなくおすすめはフリウリワイン!その品質は他のオレンジワインを寄せ付けない。大体レストランなどに営業に行くと、ほとんど口を揃えてオレンジワインは良い印象がないという。つまり美味しくないオレンジワインが巷に溢れかえっているのが現状といえる。

では日本で間違いのないフリウリのオレンジワインの生産者を紹介する。これは実は フリウリの銘醸地”コッリオ”の”オスラヴィア”という小さな場所に集まる生産者たちとなります。

綺麗なタイプで果実味豊かなオレンジワインを作る生産者:イル・カルピノ (Il Carpino)、プリモシッチ(Primosic) 

癖のあるオレンジワインを作る生産者: グラブナー (Gravner) – ワインというより、ブレンデーを想像した方がいいです。ラディコン (Radikon) – ワインというよりシェリーを想像したほうがいいです。

ちなみに、注意事項。ラディコンは日本で自然派で有名ですが、全員自然派です。この言葉は曖昧ですが。惑わされないでくださいね。(フリウリでは、そうでないところを見つけるほうが難しいです。)

ワイン Tips! 初心者に優しいワインの楽しみ方のコツ#4 “レストランのテースティングは勇気が大事”

レストランでボトルワインを頼んだ時にテースティングをすることがあると思いますが、なぜでしょうか?美味しいかどうか?好みにあっているかどうか?でしょうか?もちろん違います。最初にテースティングするのはワインが健全かどうかを確認するためで決してあなたの好みを確認しているわけではありません。

それではどうやって健全かどうかを確認するのか?ワイン用語では難しい言葉でブショネとかよく言います。ちなみにこれはフランス語です。日本語のワイン用語はフランス語が基本となっています。イタリア語では現地ではタッポと一言で言います。タッポはコルクの意味なので、本当はサポーレディタッポ(コルクの匂い)とかで表現するのでしょうが、現地ではタッポで通じます。

さて話が逸れましたが、ブショネとはTCA(トリクロロアニゾール)という難しくいうと化合物だそうです。コルクを作る木 (樫)を製造するときに混入されるかはたまた元々あったかは別ですが、かなりの確率でブショネはあります。人や本によって確率は違いますが、数%は間違いなくあります。

さて厄介なのがこのブショネの香り。ひどい場合は誰でもわかりますが、ほとんどの場合が微かなブショネでおそらく経験や訓練していなければほとんどわかりません。あまり美味しくないとか、香りが良くないとかって少し思ってもそれをブショネと断定するのはプロや余程の人でないと無理です。

で、ほとんどの人がわからないのにどうやってレストランで判断するのでしょうか?簡単です。少しでも不快、または変だなと思った瞬間に勇気をもって交換をしましょう。ソムリエ・ソムリエールに確認してもらうなどの行為はだめです。意見は聞いてもいいですが、自分の判断で交換すべきです。

日本のレストランではあまり交換している風景を見かけませんが、海外では結構な頻度であります。私も2連続で交換したときもありますし、ワイン生産者の人は鋭いので、僅かなブショネでも交換をしています(ちなみにこのケースでは私はわからないことが多い・・)。

結論:せっかく高い*ワインを頼んでいるのに変だなって思うことはありません。レストランのテースティングは勇気を持ち、素直におかしいと思ったら交換です。

*例外はありますが、安いワインは基本合成コルクやスクリューキャップを使っているのでブショネが発生するような天然コルクを使っているワインは基本お高めのワインなのです。

ワイン Tips! 初心者に優しいワインの楽しみ方のコツ#3 “夏に楽しむ!自由な家飲みワイン”

何度も訪れているイタリアのワイン生産者の友人のところで、収穫を手伝ったことがあります。葡萄の品種によっても違いますが、早いものでは8月の終わりから収穫があります。ちなみに、収穫はイタリア語でヴェンデミアと呼びます。8月の終わりと言っても残暑のため気温は猛烈に高く、気温が高すぎる時に収穫すると、収穫の最中から発酵が始まってしまうので、基本は早朝となります。5時に起きて6時スタートで11時頃まで作業が続きます。

さて、みんなで集まって昼食です。イタリアの家庭は夕食は簡素で、昼食の方が豪華なのでたんまりと本格的な料理をワインと共にいただきます。そんな労働後の昼休みのワインの飲み方は・・・

氷を入れる。スパークリングまたは普通のミネラルウォーターで薄める。ジュースで割るなど自由です。日本ではワインっていうとかしこまって飲むことが多いですが、暑い夏やバーベキューの時は自由に飲むのが一番。オススメは1000円くらいのスペインのスパークリング、カヴァやイタリアのスパークリング、プロセッコなどに氷をたくさん入れて注いで飲むと美味しいです。白ワインは、氷を入れて、スパークリングウォーターで割ると美味しいです。赤ワインは氷と好きなジュースなどで割ると美味しいですよ。家飲みは誰にも気兼ねなく飲めるのでワインを楽しんで飲めるからいいですね。あ、金額はできれば2000円くらいまでのワインがいいと思います。高いワインは風味がせっかくあるので、やっぱりそのままが楽しめるので。

ワイン Tips! 初心者に優しいワインの楽しみ方のコツ#2 “イタリアンで迷ったらこのワインを選べ!”

皆様はイタリアンレストランでどのワインを選んでいいのか悩むことはありませんか?イタリアワインって種類が多くてよくわからないと思いますが、これを頼めば鉄板というワインを紹介します。もちろん値段は手頃で3000-5000円くらいのワインを想定します。

さて、3000-5000円くらいのボトルワインだと、日本のレストランだと3倍くらいで提供しているので、市場で購入するワインの相場としては1000円から2000円ですよね。この価格帯だと、あまり美味しくないものも当然ありますので、悩みますよね。鉄板は以下の3種類です

スパークリング:スパークリングワインならプロセッコ!プロセッコとは主にベネチアのあるヴェネト州で作られるスパークリングワインで”グレーラ種”という葡萄品種を使っています。シャンパンの様に瓶内で2次発酵するわけではなく、シャルマ方式と言って大きなタンクにどかっと葡萄をいれて2次発酵するため価格を抑えることが可能です。特徴はなんと言っても青リンゴのような香りとフレッシュでフルーティなところです。冷やして飲むとガブガブ飲めてしまいます。

白:白ワインならヴェルディッキオ!ヴェルディッキオは品種の名前でワインの名前ともなっています。イタリア中部のマルケ地方で主に生産されるワインで、特徴は白い花や柑橘系の香とドライな風味、そして後味に少し塩っぽさを感じるところです。特に魚介の料理との相性は抜群です。

赤:赤ワインならモンテプルチャーノ・ダブルッツォ!イタリア中部のアブルッツォ州で作られるワインで品種はモンテプルチャーノ。果実味が豊かで酸味も強くなく飲みやすくどんな料理にも合わせやすい。スパイシーな香が食欲をそそるコスパ最強の1本です。

ワイン Tips! 初心者に優しいワインの楽しみ方のコツ#1 “レストランでどちらを頼む!?グラスワイン派 vs. ボトル派”

皆さんはレストランでワインを飲むときにグラスワインを頼みますか?ボトルを頼みますか?私は断然ボトル派です。以下のシチュエーションで考えてみましょう。

ビストロ風のレストランで、人数は2名で1人あたりワイングラス4杯以上は飲む場合

ボトルの値段が4000円、グラス提供は1本あたり8杯分取りとする。単純計算で4000/8=500円だがグラスワインの場合は余ったりすると無駄になるのでどうしても割高になるので800円と仮に想定します。

800円のグラスワインを5回=4000円となるので、つまりボトルで頼むと5杯で元がとれてしまいます。つまり余ってもボトルの方がお得。白ワインと赤ワインを1本ずつ頼んで、各自3杯ずつのむだけお得です。

もちろん6杯取りで提供しているレストランもあるし、料理に合わせて多くのワインの種類を楽しみたい人はグラスワインが多少割高でも楽しめると思うので、気分に合わせて自由に選んでください。ちなみに私のイタリアの友人でレストランに行く場合、いつもボトルワインです。