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イタリアワイン土着品種を楽しもう(トスカーナ州)Italian Native Grapes #54 “コロリーノ/Colorino”
ワイン Tips! #16 初心者に優しいワインの楽しみ方 “ワインボトルの違い”
ボトルの形状についてお話しします。一番有名なのが2種類で、ボルドー型とブルゴーニュ型。ボルドー型はいかり肩で有名ですね。この形状はボルドーワインは基本、カベルネ・ソーヴィニヨンとメルローで長期熟成するので澱を溜めやすいということからこの形なったらしいです。
一方ブルゴーニュ型はなで肩ですね。これはブルゴーニュのワイナリーが小規模が多くて、重ねて保管できるので場所を取らないってことらしいですが、実際は最近のセラーはボルドー型の方が綺麗に収納できるので消費者からすると、実際はボルドー型の方が収納的には上ではないかと思います。
他ではすらっとした形のドイツのラインガウ・モーゼル地方などやフランスのアルザスで使われているボトル形状。よく見ていただくとわかりますが、瓶の底は先ほどのボルドー、ブルゴーニュは澱を貯めるためにへっこみがありますが、このドイツ、フランスアルザスはフラットです。単純に白ワインが中心で澱がでないからでしょうね。でも、ドイツの赤ワインはブルゴーニュ型とかあるので、あくまでこの形状は白ワインと思っていただいて良いです。
特殊なのはドイツのフランケン地方のボックスボイテルです。昔日本でも流行ったマテウス・ロゼと同じ形状と行った方がわかりやすいと思います。語源や形の根拠はいくつかあるみたいです。どちらにしても、フランケン地方とポルトガルの一部しかこの形状はないのであまり気にしなくていいかと思います。ただ以前フランケン地方におとづれた時は普通のボルドータイプのボトルなど使っているところもありました。これは当然で、ボックスボイテルは運送に無駄が生じてしまって、運送コストが高くなるからです。ただ、可愛いボトルなのでずっと残しておいてほしいです。
ワイン Tips! #15 初心者に優しいワインの楽しみ方 “家飲み!ワイングラスは何を選ぶ?”
今日はワイングラスについてお話しします。まず、かのリーデル社が様々なタイプのグラスを提供しているように、グラスでワインの味が変わるのは間違いありません。特にリーデル者のソムリエシリーズはとても薄く、口当たりも素晴らしく芸術品といっても過言ではないとおもいます。
ですが、薄いグラスは割れます。手で拭くだけでも、油断すると割れるので高いグラスで薄い物はやはり家飲みでは厳しい。よって家での普段のみとしての第一条件は”頑丈で割れにくい”であることです。
2番目に種類ですが、よくボルドー用とかブルゴーニュ用とかあります。リーデルなどは”ヴィンテージシャンパン”とか”モンラッシェ”用とかありますので混乱しますよね。家に置くグラスは2種類くらいで十分かと思います。
1つ目は乾杯用のフルートグラス。シャンパンなどで利用しますが、これは雰囲気がでていいですよね(しかしシャンパーニュではフルートグラスはあまり使いません。普通のグラスを使うことでシャンパンの香りなどを楽しむからです)。
2つ目は白、赤兼用のグラス。私は楕円形のグラスではなく下の部分(ステム)から途中まで広がって、そして真っ直ぐに伸びるグラスを使っています。実はこのタイプ、私の友人が使っていて、赤、白、スパークリング、全てに合うので良いなとおもってずっとつかっています。
3つ目は手頃な値段であること。やはり頑丈なワイングラスでも割れることは当然ありますので、あまり高いグラスはおすすめしません。
私が愛用しているのが、ドイツに本社を置くツヴィーゼル社のグラスです。市場シェアも#1だと思いますが、とにかく使いやすいし強度がすごい。食洗機で割れることはまずありません。そのフィネスシリーズの形を参考にしてみてください。私の愛用しているワイングラスの形です。値段も手頃でおすすめします。
イタリアワイン土着品種を楽しもう(シチリア州)Italian Native Grapes #53 “カリカンテ/Carricante”
ワイン Tips! #14 初心者に優しいワインの楽しみ方 “ポートワインはLBVを狙おう”
今回はポートワインについて話をします。メインのワイナリーはポルトの中心にありますが、実際のポートワインの産地はポルトの街から東に車で数時間走ったところにあります。その風景は異様なほどで人工美の美しさで言えばドナウ川とワイン畑が連なって素晴らしいものです。ぜひ一度尋ねていって欲しいものです。
さて、ポートワインは2つに大きく分類されます。ルビー、つまり赤のポートワインで甘口のものと、ルビーポートを酸化熟成させ、黄褐色に変色したポートワインのトウニーポートがあります。ホワイトもありますが、混乱するのでこの2つを覚えておけば十分。
とても乱暴な言い方で特徴を挙げますと、ルビー系は甘い。トウニー系は酸化したシェリーのような風味です。(もちろん厳格には色々とありますのであくまで大きく分けてです)
今日はルビーポートのついてお話しします。3つに分類されており、ルビーポートと言われる手軽なもの、LVB(レイト・ヴィンテージ・ボトルド)と呼ばれてる特別なもの、最後のヴィンテージ・ポート。
ルビーポートは甘いだけなのでカクテルやソーダ割として気軽に楽しむもの。後者の2つは年号がついている特別なポートワイン。LBVは大樽で大体4年ほど熟成してから、瓶詰めします。そしてヴィンテージは2年ほどで瓶詰めとなります。
つまり、熟成をかなり経てから瓶詰めするのでLBVの方が比較的若くても楽しめるということ。ヴィンテージ物は最低でも20年くらい熟成しないとその進化が発揮できないです。
さて、なぜLBVがおすすめかというと3点。1つ目 比較的若く飲める。2つ目 値段がヴィンテージよりやすい。そもそもLBVとヴィンテージの境目は厳しい検査によって振り分けられるものとなっています。つまり少しの違いでヴィンテージからLBVと格下げされたものが、LBVなのです。一般人がヴィンテージとLBVの違いをわかるかというと間違いなくわからないのです。
品質があまり変わらず、値段も安く飲みやすいとなればLBVがおすすめです。ブルーチーズなどと合わせて飲んだり、寝る前に少し飲むなどして楽しめます。
ワイン Tips! #13 初心者に優しいワインの楽しみ方 “2つのタイプのキャンティ”
今回はキャンティクラシコについてお話しします。トスカーナ地方の有名なワインです。詳細の話は”楽しいイタリアンワイン講座”をみていただくとわかると思いますが、今回はキャンティクラシコと一言にいってもなぜ大きく違うものがあるのかというところをお話しして、おすすめのワインを記載します。
まず初めに基本的な知識としてキャンティ、とキャンティクラシコは法律が違います。ただ細かい話はどうでも良く覚えていただきたいのはキャンティよりキャンティクラシコのほうがちょっと良いワインですということ。
なぜ味の幅がキャンティクラシコで大きいのかというと、もちろん土壌の違いはありますが、それは詳細を勉強したい方においておいて、味に影響があるのはそのブレンド比率です。法律ではサンジョヴェーゼ 最低80% その他黒葡萄 最大20%。この20%が大きい。20%も他のブドウを入れるとその影響力が多く、サンジョベーゼらしさはもちろんあるが、ワイン自体のタイプは大きく変わってきます。ここでは2つのタイプを紹介します。
1つ目はエレガント系で昔のキャンティを知っている方であればそれに近いもの。
もう1つは濃厚でボディが太めなキャンティ。アメリカ人がとても好むタイプです。実際アメリカ人が所有しているキャンティのワイナリーを訪れたことがありますが、キャンティクラシコというより、メルローぽい野太いワインダットのを覚えています。
最初のタイプの代表的的なワインがカステッロ ディ フォンテルートリというワイナリーのキャンティクラシコ。ブレンド比率はサンジョベーゼ90%とサンジョベーゼが主体でマルヴァジア・ネーラとコロリーノという土着品種のブレンド。サンジョベーゼの可愛らしさとエレガント系の味わいです。
濃厚でボディが太めなキャンティの代表格は、ブランカイアのキャンティクラシコ”リゼルヴァ”です。リゼルヴァなのでキャンティクラシコより格付けは上ですが、メルローが20%入っているのワイン自体のキャラクターが濃厚となっています。なお、ブランカイアはキャンティクラシコはサンジョベーゼのみで作っており可憐なワインとなっているので、ブランカイアのキャンティクラシコとリゼルヴァの飲み比べも面白いと思います。全体的にメルローを使用しているものは後者のタイプになることが多いです。
美味しいワイン#200 イタリア白ワイン 生産者:イル・カルピノ (Il Carpino) ワイン名:ヴィーニャ・ルンク マルヴァジア 2020
ワイン Tips! #11 初心者に優しいワインの楽しみ方のコツ “ラベルを読もう ボルドー編”
今回は非常に分かりにくいラベルについてお話しします。アメリカやオーストラリア、ニュージーランド、チリなどの国は分かりやすく、メルローとかソーヴィニヨンブランとかラベルに書いてあることが多いので消費者には分かりやすいものが多いと思います。一方でヨーロッパのワインは知っていないと分からなかったりするものも多く、初心者の方には意味不明なものが多い。
今回はボルドーのワインを例に取って説明します。いくつかのラベルを見ていくことで少しずつ身に付くと思います。
今回の例はこれです。ボルドーの場合は見るポイントは3つだけです。一番大きい字で書いてある”Chateau d’Almailac” シャトー・ダルマイヤックというのがワイナリーの名前です。通常はこのワイナリー名=ワインの名前となります。このワイナリー名とワインが一致しないケースは2ndとか3rdとかいうこともありますが、つまり一番良いやつはワイナリー名とワイン名が一致しており、それに満たないものはワイナリー名とワイン名は異なります。このシャトーはセカンドワインがないようですがシャトーマルゴーのセカンドワインはパヴィヨン ルージュ デュ シャトー マルゴー と言いますのでワイン名とワイナリー名が一致していないということです。これが例外です。
次にみるところがヴィンテージ、そしてその下の”Pauillac”という文字です。ここには大体村とか地域名が書いてあることが多く、この場合はポーイヤック村のワインということになります。
最後はGRANDS CRUS CLASSÉSというグラン・クル・クラッセ。これは格付けを意味しています。
ここまで説明するとわかっていただけたかと思いますが、予備知識がないとかなり理解するのが難しいですね。ただ読む、覚えることから始めないと分からないので読むということは重要です。1つ1つ説明を加えます。
1つ目のワイナリー名。フランス語がわからないと読めませんが、後ろを見ると有名なワイナリーは日本語表示してあるので大丈夫。
2つ目のヴィンテージ。作られた年度ということですが、ここから読み解くのは難しい。ヴィンテージリストたるものも存在しているが、良いワイナリーは良くない年でも良いものを作るのでここからワインの良し悪しを推測するのは難しい。
3つ目のポーイヤック村。ここはボルドーのメドック地方の村で有名だが車で10分も歩けば次の村に行くほど小さな村。そもそも初心者の方がポーイヤックを村と判断できるのか微妙。判断してもその場所のワインの特徴が分からなければここもあまり意味がない情報となる。
4つ目のGRANDS CRUS CLASSÉS。これはメドック地方の1855年に決められたメドックだけの格付け。61存在していて、今回のワインは5級と格づけられている。それもここからは読み取れない。
極め付けはワインの葡萄の種類。カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローなどが使われていることは大体想像ができるが比率によってだいぶ異なる。
結論から言うと、ボルドーのワインについては飲んでみて美味しい、気に入った場合はそのワイン名を覚えておく。そうするとそのワインはどこのワインで、ブレンドには何を使っているのか、比率はどうなのかを調べるようになる。そういうことを繰り返しておくとボルドーの赤ワインではどのあたりのワインが好きなのか傾向がわかってきます。
ワイン Tips! #10 初心者に優しいワインの楽しみ方のコツ “イタリアの土着品種赤葡萄編”
前回の白ブドウに引き続き、今回は赤ワイン用の土着品種を紹介する。前回も書いたが、すでに世界的有名な土着品種、サンジョベーゼやネッビオーロ種などは除く。
1つ目:フリウリ州のタッツェレンゲ。幻の品種で栽培の難しさなどもあり、この品種を扱っているワイナリーは数件となってしまった。名前の語源は舌を切るという意味でこれはタンニン、つまり渋みが強いことを意味する。よって飲み頃になるまでに最低でも7−8年は時間を要する。ただ、熟成がうまくいったタッツェレンゲはこれまでの赤ワインとは一線を画す素晴らしいワインとなる。
おすすめワイン:ラ・ヴィアルテというワイナリーのタッツェレンゲ。2013ヴィンテージからリゼルヴァの記載もあるが、中身はこれまでと同じものである。
2つ目:マルケ州のラクリマ。ラクリマクリスティ(キリストの涙)というワインがあるが、これはアリアニコなどの品種を使っており全くの別物なので注意が必要。マルケ州のラクリマの特徴はバラの香りがはっきりと感じられる。熟成により変化はほぼないためすぐに楽しめる。
おすすめワイン:ウマニ・ロンキのフォンテ・デル・レ・ラクリマ・ディ・モッロ ダルバ。長い名前だがウマニ・ロンキのラクリマは1種類しかないので、ラクリマとだけ覚えておけば良い。
3つ目:ウンブリアのサグランティーノ。これは何故かウンブリアでもモンテファルコという地域でしか栽培されない品種。特徴はなんといっても漆黒のような色と黒い果実の風味。若いうちは濃いだけだが、10年以上経過するとその素晴らしさは特筆すべき品種。この地域はトリュフの名産地でもあり、トリュフとの相性は抜群。
おすすめワイン:アルナルド・カプライのサグランティーノ ディ モンテファルコ 25 アンニ。サグランティーノの素晴らしい生産者、アルナルド・カプライのトップキュベである
4つ目:中部のアブルッツォ州のモンテプルチアーノ。この品種の特徴は果実味が豊かなところとバランスが良い。またコスパが素晴らしいところである。デイリーワインも飲みやすく美味しいが、丁寧に作られたモンテプルチアーノはすごい熟成を遂げる。ぜひ試してもらいたい
おすすめワイン:マシャレッリのヴィッラ ジェンマ モンテプルチアーノ ダブルッツォ。有名なワイナリーで作られる最高峰のモンテプルチャーノ。
5つ目:シチリアのネレッロ・マスカレーゼとネレッロ・カプッチョ。これらは類似した品種だが、シチリアのエトナ山の近郊で栽培されている。ブレンドされることが多い。特徴はまるでピノ・ノワールのような優美さと官能的な味わい。ピノ・ノワール(イタリアではピノ・ネロ)も栽培されているが、こちらの方がよっぽどエレガントなワインに仕上がることが多い。
おすすめワイン:イ ヴィニェーリ の ヴィヌペトラ。透明感があり、骨格もしっかりしているのにしなやかなワイン。