Leroy Bourgogne Fleurs de Vignes (ブルゴーニュ・フルール・ド・ヴィーニュ)

オススメ度:3/5

ワイン名: Bourgogne Fleurs de Vignes ブルゴーニュ・フルール・ド・ヴィーニュ

生産者: Maison Leroy (メゾン・ルロワ)

産地:フランス、ブルゴーニュ

品種:シャルドネ

ヴィンテージ:NV

テースティング日:2019年5月30日

コメント:ブルゴーニュでは有名なメゾン・ルロワの面白いワインで2009. 2010, 2011をブレンドした白ワインだそう。複数年のワインをブレンドしているのでシャンパンによくある表記のNV(ノンヴィンテージ)。ルロワについてはウェブ上に情報がたくさんあるのでここでは説明なし。

  • 香り:洋ナシ、白い花、すこしウイスキ
  • 味:アタックはアルコールを少し感じるが華やかな果実味がある感じ
  • 展開:口の中には丸い感じで広がって酸味のほうが強く残る。熟成した感じはなくフレッシュ感がある
  • アフター:綺麗で意外と余韻はある。天ぷらに合いそう。

ブドウ品種

そもそもワインの品種が好みのワインを知る知識となるかどうかといえば非常に微妙かもしれません。乱暴な感じで、軽い赤が好きだからブルゴーニュワイン、フルボディのワインが好きだからボルドーみたいにはいかないと思います。たぶん、皆様もソムリエさんからどんなワインがよろしいですか?と言われて困ったりして、実際きたワインは自分の好みではなかったりすることが多いのでは?品種がトリッキーな例を次にいくつか書いてみました。

  • 場所(気候)

例えばシラー(シラーズ)って品種があって結構オーストラリアでは有名ですが、もともとはフランスのローヌ(南のほう)が本場です。この2つは何となく似ていますが、よりシラーの個性をだすのはオーストラリアのほうです。逆に熟成が少し進んだローヌのシラーはまったく別物と言っていいです。ものすごく単純に言うと温暖な地方ではブドウが熟すから赤はジャムっぽく、白はパッションフルーツぽくなって冷涼な場所ではなかなか熟さないので酸味が際立ちます

2.ブレンドの存在

うーんとカベルネソーヴィニヨンって有名だと思うのですが、勘違いが多いのがカベルネ=ボルドーの赤って思っている人が多いかな。ボルドーの赤は基本メルローとのブレンドなので場所によっても比率が違うし、生産者によっても違うからボルドーではカベルネの特徴を把握するのは結構難しい。実際にはボルドーでブレンド前のカベルネやメルローをテースティングするとわかりやすいのですが、普通の人はそんなこと興味ないし、しないから、ブレンドもので品種を感じるのは難しい。

3.畑での接し方の違い

同じ地域でも当然1本1万のワインと500円のワインでは畑の仕事のやり方は違う。高いワインはよいブドウが欲しいから1本のぶどうの木に実らせる房を少なくして栄養を凝縮させる。一方安いワインは量が必要なので1本のぶどうの木にたくさんの房をつけて量を稼ぐ。当然出来上がったワインは同じ品種でも異なる。大量につくるとカベルネなどはちょっと青っぽい感じがする(昔は似たような品種名でカベルネフランがそんな香りがするといっていたがこれはまったくの誤解)

うーんと切りがないのですが、あえて個人的にどうやって好きな品種を選んでいるのか白ワインの場合の参考を記載

私が好きなブドウ品種: リースリング、グリューナーフェルトリーナ、セミヨン、シュナンブラン、マルサンヌ、ガルガネーガ、ヴェルディッキオ・・かな・・ 個々の品種が意味不明な名前なのは置いておいて・・以下が基準です

・酸味がきりっとしているほうが好き:リースリング(フランスのアルザスとドイツのモーゼルとか)、グリューナーフェルトリーナ(オーストリア・・・ここは凄いワインが多いのでまた別の機会に・・)

・トロンって舌で感じるのが好き:セミヨン(オーストラリアのハンターバレー、フランスのボルドー)、シュナンブラン(フランスのロワール)、マルサンヌ(フランスのローヌ)

・後味に苦みを感じるのが好き:ガルガネーガ(イタリアのソアヴェが有名)、ヴェルディッキオ(イタリアのマルケ)

という感じで分類しています。ですので、無理に品種を勉強しなくても好みのワインに出合ったらどこの場所のどの葡萄を使っているワインか調べて、似たようなワインはいくつか飲んでいくと、この場所のこの品種は好きかな?と分かります。

ちなみに、この分類がまったくできないのがシャルドネ・・なぜならシャルドネの特徴は“特徴がないこと“だからです。

Scarborough

Winery: Scarborough

Region: Hunter Valley, Australia

Recommendation:

・ Chardonney

Comment: セミヨンが有名なハンターヴァレーですが、このワイナリはシャルドネがいいです。5から6種類確かテースティングしましたが迷わずシャルドネ購入!日本にあるかわかりませんが、見つかったら是非試してください

De Luliis

Winery: De Iuliis

Region:  Hunter Valley, Australia

Recommendation:

  • Show Reserve Chardonnay (White Wine)
  • Semillon Aged Release (White Wine)

Comment: セミヨンといえば、少しワインの知っている方ならボルドーの白ワイン、特にソーテルヌの貴腐ワインを思い出すと思います。

但しボルドーはブレンドの文化?なのでソーヴィニヨンで酸味を補っており、ボルドー白=セミヨンではないと思っています。

世界中でどこがセミヨンの産地か?その1つの答えがハンターヴァレーにあります。ハンターヴァレーはシドニーから近く行きやすいため個人的にも3回訪ねています。

セミヨンの真価はずばり熟成。熟成をしたセミヨンは妖艶な輝きがあります。De Illuisはもともとはイタリア出身で比較的新しいワイナリですが、完成度の高さは半端ではありません。輸入されていないのがなんとも悲しいです。

De Angelis

Winery: De Angelis

Region:  Marche, Italia

Recommendation:

・Offida Passerina  (White Wine)

・Anghelos (Red Wine)

Comment: このワイナリーは残念ながら訪れたことがないのですが、やはりコストパフォーマンス抜群の生産者。白ワインはパッセリーナというイタリア土着品種で、素晴らしい酸味とうまみのバランスで魚料理と相性抜群。赤の推奨はAnghelosでイタリアの中部地方ではよく使われるMontepulcianoを主体としてCabernet Sauvignon, Sangioveseのブレンドワインです。

https://item.rakuten.co.jp/toscana/c/0000002720/

The Paring Chardonnay

オススメ度:3/5

ワイン名: The Paring Chardonnay (ザ・ペアリング・シャルドネ)

生産者: The Paring (ザ・ペアリング)

産地:アメリカ、サンタバーバラ

品種:シャルドネ

ヴィンテージ:2014

テースティング日:2019年5月28日

コメント:以下にもカルフォルニアという感じで分かりやすい味だが、ほろ苦い感じと果実味が重なる意外と面白いワイン。カルフォルニアワインは経験値が低いのでいまはこんな感じなんだろうか。サンタバーバラがどんなとこかもわからないな

  • 香り:グレープフルーツ、パッションフルーツ、シトラス系
  • 味:アタックはソーヴィニヨンのような少し苦い感じだがすっきり系
  • 展開:酸味と果実味がしっかりしているので骨格は太いが印象が薄い
  • アフター:グレープフルーツジュースを飲んだ後の感じかな

ヴィンテージについて

ヴィンテージは収穫した年となります。ちなみにこの呼び方は英語なのでフランスのワインだとMilesimeとなります。有名なワイン産地であればヴィンテージチャートなるものが存在します。グッドヴィンテージとオフヴィンテージという言葉があり、ワインの本には基本的に以下のような説明が多いです。

・グッドヴィンテージは一般的に力強いため飲み頃まで時間がかかる

・グッドヴィンテージはオフヴィンテージより値段が高い

・オフヴィンテージは飲み頃が速いので、よい生産者を選べばオフヴィンテージのほうが得である

・オフヴィンテージ=おいしくないワインではない

などなど

で、結論からいうと我々のような素人がワインを選ぶときにヴィンテージチャートをみて選ぶべきかというとまず無視です。理由は簡単です。

1.そもそもそのワイン生産者のヴィンテージ違いなど分かるわけがないから意味がない。

イタリアのある素晴らしい発泡性ワイン(シャンパンみたいなやつ)の生産者のContrattoに訪問した際に、毎年収穫にいっておりヴィンテージの違いを完全にわかるおばあちゃんがいました。飲んだだけでその収穫がどのような年だったのかわかる人です。さて、このおばあちゃん、各ヴィンテージのContrattoのワインを何回試飲しているでしょうか?数百回です。つまり何十回も毎年のように試飲を繰り返さないとヴィンテージの違いなど判らない。断言してもいいですが、そのワインのヴィンテージ違いを把握できるのは生産者だけです。

2.ワインの飲み頃など誰も判らない

オフヴィンテージは早めに飲みごろになるというが早めって? 5年?10年? プロでも飲み頃はわからないので気にしても仕方ない。しかもワインの意味不明なところは飲み頃のカーヴは落ちて上がって落ちるからややこしい。つまり20年で最高潮の飲み頃ワインが仮にあたっとします。ですが、こいつは休眠期間があって最初の10年間はどんどんおいしくなるが、その次の5年間はすこしずつおいしくなくなってまた次の5年あがっていくというやつです。こんなの気にしててもしかたないですよね。

3.好みのワインを選ぶのは生産者であってヴィンテージではない

自分の好みに合わないワインを作っている生産者はどのヴィンテージを買っても自分の好みではない。もちろん例外はある。それは同じワイナリーの”名前”で所有者、作り方、作り手が変わる大手のワイナリーだけ。それが顕著にでるのが、ボルドーの有名シャトー。所有者がコロコロ変わるし、金儲けなのか本当にワインが好きで投資するのかなどそのタイミングで違う。あの有名なムートンもオーナーが一度もワイナリーに来ないなどの時期もあった。当然そんな時期のムートンなど美味しいわけがないのです。

4.そもそもヴィンテージチャートが存在しないものが多いのでわからない

単純にボルドーやブルゴーニュワインだけを飲み人なんていない。例えばシチリアのエトナやウンブリアなどのヴィンテージチャートなど、仮にあったとしても誰も見ないし気にしない。それは簡単で例に挙げたような産地はヴィンテージにより値段の上下がないし、イタリア人にとってヴィンテージの違いは個性とおもっているのでその仕分け自体もおかしいから

蛇足
あと誤解がないように記載しますが、醸造技術がまだなかったころ、特にステンレスは1970年代からですので、そのあたりの年代の前のワインは温度コントロールができなかった=発酵は神頼みでした。ちょっと寄り道をすると一定の温度に達しないとワインは発酵(砂糖が酵母にばくばく食われてアルコールになる)しないし、逆に温度が高すぎると華やかな香りとかがなくなっちゃてぼさっとしたワインになっちゃう。

よって、1960、70年代のワインを買うのであれば、ヴィンテージはとっても重要です。ちなみに有名なワイナリーは作っていない年もありますので要チェックしないと、偽物がごろごろしています

コメントについて

  • テースティングのコメントは記憶にとどめる意味があるので表現は正直どうでもいい。自分なりの表現でそのワインの記憶をとどめておくためのもの。大昔は”格付け”みたなものや法的な規制である程度の情報は読み取れたが今や多種多様なワインが存在しており決まりごとは意味がなくなってきている。つまりテーブルワインがXXの特級ワインよりも良いもがあるのであれば、私のような素人はワインは複雑、理解が難しい。その中で自分の好みのワインを探すには生産者やブドウ品種の傾向、生産地などから頼るしかないがどちらにしてもある程度の記憶=書くことは最初のステップとなります。たくさんの本があるが私がコメントを書く場合にはいかの4つ。
    • 香り:よくアロマとかブーケとかいっている。アロマはブドウの香りでブーケは熟成による香り。ただし、好きなワインを見つけるのにそんな区別は素人には不要。感じた香りを残せばよい
    • 味(インパクト):味は最初に感じたものとしての意味。つまりインパクトのあるワイン(濃かったり樽が強かったり)した場合はアタックが強いとか。ここでは香りのニュアンスは表現しない。
    • 展開:ここでは骨格と果実味、酸味を記載している。骨格は人間の体に例えてもいい。マッチョなひともいれば丸い感じの人もいる。男性的、女性的ともいうがなんでもいいので全体の印象を書く。果実味は普通のドライのワインでは甘みに感じることが多い。どちらにしても果実味がなくなっているワインはすでにワインとしての魅力がなく土っぽいものとなる。酸味は重要。酸味がないワインはぼやけたり、ジャムっぽかったりする。飲んでいて疲れるワイン。また同時に熟成のしないワインと考えてもよい
    • アフター:その名の通り飲んだ後の余韻。余韻があればワインの印象が強くなる。ただし余韻がないからといって良くないということではない。夏のバーベキューなどではさっぱりとしたワインがおいしく余韻などいらないから。