Allan Scott/Hounds Pinot Noir (アラン・スコット/ハウンズ ピノ・ノワール)

オススメ度:4/5

生産者:Allan Scott

ワイン名:Hounds Sauvignon Blanc

タイプ:赤

産地:ニュージーランド、マルボロ

品種:ピノ・ノワール

ヴィンテージ:2012

テースティング日:2015年1月10日

コメント:ニュージーランド、マルボロのクラウディベイの真向かいにあるワイナリ。アラン・スコットは良いワインですが、定期的に日本に輸入されていないようです。見かけたら試してください。このピノはマルボロらしくきれいなピノで灰色とイチゴの香り、優しいタンニンが広がります。良いワイン。写真はソーヴィニヨン・ブランとなります。

De Iuliis/Semillon

オススメ度:5/5

生産者:De Iuliis

ワイン名: Semillon

タイプ:白

産地:オーストラリア、ハンター・ヴァレー

品種:セミヨン

ヴィンテージ:2004

テースティング日:2011/1/12

コメント:7年熟成したセミヨン。香りはパッションフルーツ、藁、はちみつ、アプリコット、アタックは酸がちょうどよく、バランスが良い。フィニッシュは旨みが残る。素晴らしいワイン。

つぶやき第3回:ブレンド

ボルドーでシャトーを回ると本当に根強い文化なのかみんなブレンドが大好き。カベルネは骨格、メルローは柔らかさ、プティベルドはスパイス・・・などなど。でも本当に味の完成を求めるためにブレンドとしているのでしょうか?

確かに品質を一定に保つために昔はこのようなブレンドでネゴシアンという商人が買付をして独自にブレンドをして販売をしていたのでその名残でなっているだけというのが現実ですが、ブレンドはしたくてするケースは伝統的なワイン地域(ボルドーなど)では逆に少ないかもしれません。

その1: いまさらブランドを捨てるわけにはいかない。

ボルドーは歴史があり格付けがありワイン名=シャトー名となっているので消費者からは分かりやすい。(格付けについては別項目でつぶやくが、要は消費者としては迷惑な制度でワイン業界を歪めている)。

よって今更シャトー・マルゴーがメルロー100%のワイン、カベルネ100%のワインなど販売ができるわけがない。シャトーマルゴーといえばシャトー・マルゴー、たった1つのワインでブレンドされたワインなのだから。 

その2: ブレンドの比率とは

ブレンドの比率を変えるとまったくことなるワインの性格になる。それであれば同じワイナリでもかなり違うワインができるのではないかという疑問もある。にも関わらず、シャトー・マルゴーはシャトー・マルゴーとしての性格をもったワインと例年なる。これは単純で、作付面積の比率に沿っているだけなのだ。メルロー80% カベルネ20%の面積ではその比率のブレンドになる。仮に、このケースにおいてカベルネ80%のブレンドワインのほうが良いワインだとしても作らないし、生産量が保てないのだ。結局落ち着くところに落ち着くことになる

その3: ブレンドvs. 単一品種

消費者からすると、美味しいワインを飲みたいので、ブレンドなのか単一品種なのかはどうでもいい。ただし、これがまさに複雑で消費者を混乱させる。例えばある人がボルドーのメドックをソムリエに頼んだとする。こうなるとソムリエは難しい。メドックという地域でもカベルネでほぼ構成しているワインもあれば、メルローで構成している場合もあり両者はまったく違った性質のものだからだ。

ちなみにこの現象は2のブレンド比率の作付面積に関連するが、メルローという葡萄は水分を欲する。そのため基本は粘土質の畑を好む。一方晩熟型のカベルネは水分を極端に嫌う。そのため水はけのよい砂利の畑を好む。つまり葡萄そのものも全く違う正確のもので、メルローとカベルネは似て非なるものなのだ。

話が逸れたが、ブレンドかそうでないかはどうでもいい。ワインは生産者で選ぶという基本を忘れなければ大丈夫。

その4: 実験してみよう

ボルドーのあるシャトーでブレンドの体験をした。その時は4種類 若木で作ったカベルネ・フラン、古木で作ったカベルネ・フラン 若木で作ったメルロー、古木で作ったメルロー。ワインを少し知っているのであればカベルネ・フランとメルローということでサンテミリオンかポムロールのワイナリーだなと分かりますよね。

さて、このワイナリでの体験は4種類を単体でテースティングをしてからブレンドしてみます。カベルネ・フランは骨格とスパイス。メルローは丸く、果実味があるので、ブレンドの仕方でまったく違うワインになります。若い木の葡萄は明るく、酸味が強いが総じて飲みやすいワインになり、年寄りの葡萄は旨みとコクをもたらします。どちらが好きかは個人の好みです。

家でブレンドの実験をするのにオススメなのが、チリの反則コスパのコノスル。800円くらいのビシクレタシリーズで良いでしょう。何本かで試してみると盛り上がりますからオススメします。

Pokolbin Estate/Semillon (ポコルビン・エステート/セミヨン)

オススメ度:5/5

生産者:Pokolbin Estate

ワイン名:Semillon

タイプ:白

産地:オーストラリア、ハンター・ヴァレー

品種:セミヨン

ヴィンテージ:2004

テースティング日:2011年1月8日

コメント:ハンターヴァレーオススメのワイナリーだが日本に輸入はされていない。樽香、ナッツ、はちみつ、洋梨などの香りで複雑だが重みはなく心地よい旨みあり。素晴らしいワイン。

Tyrrell’s/Single Vineyard Stevens Hunter Semillon (ティレルズ/シングルヴィンヤード スティーブンス ハンターセミヨン)

オススメ度:4/5

生産者:Tyrrell’s

ワイン名:Single Vineyard Stevens Hunter Semillon

タイプ:白

産地:オーストラリア、ハンター・ヴァレー

品種:セミヨン

ヴィンテージ:2007

テースティング日:2011年1月14日

コメント:ハンターヴァレーの老舗ティレルズワインズの1つ。パイナップルや麦、酸、旨味、甘み(果実味)とバランスがよい。さすがティレルズといったところ。

Sassetti Livio-Pertimali(サセッティ リヴィオ ペルティマリ)

Winery: Sassetti Livio-Pertimali

Region: Toscana, Italia

Recommendation:

  • Istriciaia
  • Brunello di Montalcino

Comment: ブルネッロディモンタルチーノの名生産者といえるペリティマリ。少し有名になりすぎてブルネッロも6000円後半と高くなってきた。しかしながら、2500円前後で出しているIstriciaiaは非常におすすめ。エレガントだがボディのあるその味は本当にサンジョベーゼ?と思わせるほどの濃さと複雑味。

つぶやき第2回:欧州と日本のレストランとワイン

ヨーロッパに長年訪れてレストランに行ってワインを飲んでいると、日本のレストランでワインを頼むのが嫌になるので外で飲む機会が本当に少なくなる。文化的なものを言ってしまえばそれまでだが、これだけ日本でワインが消費されているのに提供側の知識不足なのか状況はよくない。

その①グラスワインの量

日本ではボトル750mlで8杯取り(つまり1杯100ml満たない!)のレストランが多い。まあ、6杯取り(125ml)のケースもあるがそれでも少ない。例えばボトルの販売価格が3000円だとする。前者の8杯取りだと、1杯400円、後者だと500円となる。もちろん売れ残りがでるので実際はそこにリスク係数を入れて高めに提供することが多い。どちらにしても8杯取りなんかで出されるとワインを飲んだ気持ちにならない。パリやイタリアの気軽なビストロみたいなところだと、ほぼグラスワインは入れすぎっていうほど注がれてくる。高級レストランはともかく気軽な店でグラスの3分の1にも満たないグラスワインがでてくると食欲も失せるものだ。

その② 原価率がおかしい

これは経営側からすると文句が来そうであるが、日本のレストランはおかしいほどの原価率計算をしている。仕入れの3倍は平気でかけてくる。つまり1000円のワインでも3000円になる。3000円のワインはなんと1万となってしまうのだ。こんな状況でワインを気軽に外で飲むことはまず無理。特にワインを知っている人からするとアホらしくなってしまう。ヨーロッパではだいたい1.5−2倍。ミシュランの2つ星でも2倍程度。つまりミシュランの星付きレストランでも5000−6000円でボトルを十分に楽しめるわけだ。ちなみに3つ星は3倍のところが多い。3つ星は値段のステータスも重要だからだ。ただしサービスやワインのレベルが違うので3倍払っても高いという思うことはまずないといっていい。

話を戻すとそこのレストランしか飲めないようなワイン、何千本もストックしてあり保管状態も良い店、最高のサービスと最高のソムリエがいるような店は3倍でも良いのだ。なぜならば3倍払う価値があるからだ。私自身もヨーロッパではレストランでワインを買うことがよくある。それはどこを探しても手に入らないワインで、さらに保管状態も最高なケースの場合が多い。ただ私の場合は原価と価値を知っているので2倍以上の値段では買わないようにしている。

一方、居酒屋などでコンビニでも売っているようなワインが3倍の値段だとあほかと思いたくなる。有名な立ち食いのXXXステーキなどは1杯のグラスワインの値段が小売の1本と同じものがあった。つまり6倍以上消費者にふっかけているというわけだ。経営側があほなのか、儲けようとしているのかは分からないが消費者はそこまでバカではない。

私がイタリアのトラットリア(ビストロ)にいくとまずよく飲むのがプロセッコ(ヴェネト州のスパークリング)。これはテラスで飲むには最高の1本だ。席についたらほぼリストは見ないで、すぐにオーダをする”Avete una botteglia di prosecco?” – プロセッコボトルで頂戴だ。値段は見ない。なぜならばプロセッコのそこそこのやつは7−8ユーロで仕入れができる。だいたい店は仕入れの2倍にするから15ユーロ程度となる。相場があるのだ。ビストロなんかでワインを頼むのに、高級レストランのように値段とにらめっこしないとだめなんて、楽しみが半減だ。グラスワインも同じでピノ・グリージョ(品種)が飲みたければVorrei un bicchiere di Pinot Grigio” – ピノ・グリージョ一杯頂戴だ。

居酒屋であればビールいっぱいの代わりにプロセッコやカヴァなどの安旨スパークリングを売り込めばいいと心底思う。生ビールは原価率が悪く儲からない。場合によっては赤字のケースもある。一方1000円の仕入れプロセッコを2000円で販売するとする、4人テーブルであれば1人500円で飲めるではないか??原価率は悪いが確実に1本捌けるので店としては生をずーと飲まれるより良いはずだ。1000円の仕入れを3000円なんかで売るからおかしくなるのだ

その③ ブランド好き

人のことは言えないが、実際の消費者はブランドを重視する(それが悪いわけではない)。デートなどで“イタリアのエトナ山麓のXXワイン”っていうよりはブルゴーニュって言ったほうがわかりやすいしかっこいいからだ。これはこれで悪くないが、名前より質をとる消費者がいることもレストラン側は理解しておくべきである。投棄が入り間違いなくコストパフォーマンスが悪いボルドー、ブルゴーニュ、ナパなどを扱うようでは努力が足りないといえる。特にあまりワインを飲んだことない人は美味しいワインを飲みたいだけのケースがあるのでこの場合は質をとればいい。

ただ質が取りにくいのは仕方ないことかもしれない。ほとんどのレストラン経営者は実際に生産者を訪れてワインの本質を知る機会はないからだ。ちなみにこの現象はほとんどのソムリエも同じことだ。試飲会などにいって年間1万本テースティングしても、井の中の蛙ということ。試飲会は数が多いのでインパクトだけの評価になりすぎだからだ。そのワインを知るにはどの料理と合わせるか、いつの季節に飲むのが良いか、誰と飲むのか、抜栓後初日の状態と2日目はどう変化するのかなど考えることがサービス提供側は重要だ。夏にバローロやボルドーを出されても困るではないか・・・

今はないとは思うが、フランスではボトルを見せずにデキャンタをしたものをソムリエがもってくるような店もあった。つまり、消費者の先入観をなくすためだ。本当に美味しいものを味わってほしいということだ。

個人的に信頼ができるソムリエがいた店は2箇所。1つはフランクフルト郊外のラインガウにある店、もう1つはリスボン郊外にある店だ。優れたソムリエは懐具合も、さり気なく察してくれる。決して1万を超えるようなワインは勧めない。なぜならば彼らは自分の足で何がコストパフォーマンスが良いのか、地元の誇りと情熱を持っている。このようなソムリエの場合はすべてお任せする。日本にもそんな店があればよいが出会ったことはない。

その④ ハウスワインの意味をわかっていない

ハウスワインはその店の顔だ。ハウスワインは店が努力をしてリサーチして、コスパ抜群のワインをいかにお客様に提供するか、いわゆる店の見せ場なのだ。日本でまともなハウスワインに出会ったことはまずない。安い流通の多いまずいワインを出すところばかりだ。つまりそんなものを出すくらいならハウスワインなど提供しなければいいのにと思う。

July 2019, Ken Hattori

Cono Sur/Cabernet Sauvignon Reserva Especial (コノスル/カベルネ・ソーヴィニヨンレゼルバ エスペシャル)

オススメ度:3/5

生産者:Cono Sur  (コノスル)

ワイン名:Cabernet Sauvignon Reserva Especial

タイプ:赤

産地:チリ

品種:カベルネ・ソーヴィニヨン

ヴィンテージ:2012

テースティング日:2013年

コメント:いちごジャム、お菓子のカールの香り、果実味が少し甘く感じるが余韻はタンニン、皮などの渋みあり

Allan Scott/Moorelands Sauvignon Blanc (アラン・スコット/ムーアランズ ソーヴィニヨン・ブラン)

オススメ度:4/5

生産者:Allan Scott

ワイン名:Moorlands Sauvignon Blanc

タイプ:白

産地:ニュージーランド、マルボロ

品種:ソーヴィニヨン・ブラン

ヴィンテージ:2011

テースティング日:2019年7月26日

コメント:ニュージーランド、マルボロのクラウディベイの真向かいにあるワイナリ。当初は訪問予定ではなかったがクラウディ・ベイのついでという感じで訪問。コスパは正直クラウディベイよりよいのではと思うところもある。香りは麦、はちみつ、ヨード香、アタックは爽やかな酸味が広がり、ソーヴィニヨン・ブラン特有のグレープフルーツの白いところの香りと麦、余韻はあまりないが苦味が心地よい。良いワイン。熟成感はないが8年経過しても元気。写真はスタンダードのソーヴィニヨン・ブラン。

Charles Wantz/Riesling Grand Cru Wiebelsberg (シャルル・ワンツ/リースリング グラン・クリュ ヴィーベルスベルグ)

オススメ度:3/5

生産者:Charles Wantz

ワイン名:Riesling Grand Cru Wiebelsberg

タイプ:白

産地:フランス、アルザス

品種:リースリング

ヴィンテージ:2003

テースティング日:2019年7月26日

コメント:やはり、リースリングは熟成をして真価を発揮する。16年経過したこのリースリングはまさに黄金色。シェリー香にはちみつや花梨の甘い香り。アタックは酸がまだ強く噛みごたえがある感じ。少しざらっとした舌触りだが余韻は長くとろんとしている。良い。